Running #10 食えるかっ!

 ヒイロ・ユイが怒るのには、慣れている。
 デュオ・マックスウェルは自慢じゃないが、ヒイロとの人間関係においてそう思っている。敵同士として出会い、監視下に置かれ、ずるずると合宿のような同居生活を送っている間に、どれだけどやされて……いや、憤怒の暗いオーラを感じたことか。
 誤解のないように予め付記しておくと、デュオ本人は何か、悪いことをしたという自覚はない。ただ、ストリート育ちのせいで少々手癖が悪い(しかし、ストリート生まれでも清く正しく生きている人間はいるものだ。少数派であるというだけで)というのと、つい『余計な一言』を口に出してしまうのと――――。
 しかし、今日のヒイロの怒りの原因は、そのどちらでもなさそうだった。ので、デュオにしても今回は珍しく、さて自分は何をやってしまったのだろうと反省する隙ができた。
 サイボーグも風邪を引く。生理的機能・精神的機能が耐えられる負荷ぎりぎりまで肉体を改造していても、現代のサイバー技術では生身をすべて機械化することは不可能だ。それどころか、頚部から頭部に集中する改造手術の影響か、ただの風邪やインフルエンザから肺炎や脳症などのに重篤な病状に進行してしまうケースは、アンチサイバー(身体改造を行なわない人間のこと)の人間より却って多いとも言われている。
 と、いうわけでヒイロは、昨夜遅くから高い熱を出して病床にあった。雪混じりの雨が降る中のランニング(『シャドウランニング』の略語、依頼されたランの遂行過程を指す)を終えて、帰ってくるなり早々にベッドに入ってしまったのである。
 この表現はあまり正しくない。本当は、泥酔したサラリーマンよろしく玄関でスニーカーも脱がずブッ倒れたヒイロを、同じくマトリックスでのランのサポートから戻ってきたデュオが、ベッドまで引きずっていって押し込んだのだ。濡れたアーマージャケットのまま着替えもさせていないし、さっき銃器は全部片付けただろうと思って玄関のたたきの下を覗き込んだら、倒れた時の衝撃でクリップから落ちたのか、パラベラムが二つ転がっていた。しかし、同年代の人間と比較しても体力的に明らかに劣るデュオでは、昨夜の時点ではそれが精一杯だったのだ。
 力尽きたデュオが次に目を覚ましたのは、昼もだいぶ過ぎた頃だった。夜行性(?)のデュオにとってはいつものことだ。この時間帯、朝早くから起きているヒイロは情報収集に出かけ、たいてい部屋を留守にしている。デュオはテーブルに残された、冷めた朝食と英字新聞とを見比べて、自分の境遇をしばし思い返し(たまに出ていこうかという衝動に駆られる)、それからもそもそと朝食を食べる。日課を始めるのは、その後になる。
 だが、今日はいささか様相が違っていた。狙撃を防ぐためめったにカーテンを開けないせいで薄暗い部屋の中に、荒い息遣いが続いていた。熱を出している人間の、特有の匂いがかすかにする。ああ、ヒイロまだいるなと思いつつ、デュオはいつも通り、ヒイロのベッドの側を抜けてダイニングに出た。
 自分の仕事場のワークステーションのまわりに、雑誌やチップ、ディスクの類が散乱したままになっている。昨夜のランの後片付けを忘れていたのだ。コンピュータの横の壁に掛けているカレンダーは、今日の日付に予定を示す付箋はない。
 棚からタオルを取って顔を洗い、長い髪を結い直し、食パンを放りこんだトースターの様子を見つつ新聞を取りに行きながら、なんか今日は変だなぁとデュオは考えた。ヒイロが寝込んでいるせいで、起きだしてからの日課の順番が違っているからだということには、器用に食後のオレンジの皮を剥きながら、ようやく思い到ったのだ。この生活パターンは、ヒイロと出会う前、住みかを転々として独りで暮らしていたときのものだ。
 そういえば、ヒイロは寝込んでいるということは、まだ朝食も食べていないんじゃないだろうか? ふと思いついたデュオは、どういう風の吹き回しか、ヒイロに病人食を作ってやろうかと考えた。以前、デュオが負傷して体力が衰えていた時期に、ヒイロだったか五飛だったかが、粥とか言うリゾットみたいなものの、もっと柔らかいものを作ってくれたことがあったのだ。独りだった頃は、そういう時は栄養剤でしのいでいたのだが、彼らに言わせれば最終手段であって、風邪ぐらいでそれをやってはいけないらしい。
 デュオは冷蔵庫を開けて、しばし考え込んだ。
 

 話は元に戻る。
 一応、断りだけは入れておこうと思って、薄暗い寝室をのぞき込み、
「ヒイロ、粥だったら食えるか?」
声をかけると、ベッドの中からかすれた声で、
「お前が作るのか」
と、逆にヒイロが訊いてきた。普段のような嫌そうな口調ではなかったので、お、さすがにヒイロも病気すると気弱になるのかとデュオは内心喜んだ。
「食欲はないが……、薬を飲むには必要だろうからな……」
考え考えつぶやく口調に、デュオも珍しく機嫌良く首を振る。元はといえばストリート・チルドレンのリーダーを張っていた彼のこと、同い年くらいでも強い立場に立てるとなれば、ついつい面倒を見る兄のような態度を取ってしまう。普段は孤独を決め込んでいるが、それが彼の本分なのだ(もっとも、彼はその当時の記憶を失っており、無意識化された行動様式にしか過ぎないのであるが)。
 今も、いつもは保護者然としているヒイロに少しの仕返しを込めて世話を焼けるとなれば、嬉しくてしょうがないのである。
 話が逸れたが、元に戻す。
 遮光カーテンに閉ざされた寝室には、昼間でも電灯がともる。枕を二つ重ねて、どうにか起き上がることのできたヒイロの膝の上には、サラダボウルに盛られた大量の粥……のようなものが載っていた。
 何で器がサラダボウルなんだと思いつつヒイロがデュオを見やると、デュオは同じものを美味しそうにばくばくと食べている。朝食を摂ってすぐのくせに、食事の支度をしたらもう、腹が減ってしまったらしい。現金なものだ。
 見るも怪しげな薄黄色の粥もどきの物体の正体はわからない。匂いの感覚も麻痺しているので、何がその粥もどきを構成しているのか、ヒイロにはいまいち判断しかねた。そこで思い出したのが、デュオがたまーに、気の向いたときにだけ作る軽食だった。オムレツや、サンドイッチや、パンケーキやらといった洋食ものを、デュオは結構器用に作ることができる。味もそこそこ、天然食材だけに金額がかかるのが難だが、その辺の高校生並みには料理ができるのは知っていた。
 ならば、この怪しげな物体Xも、見た目はおかしいがそんなに食べられない代物ではないはずだ。現に料理したデュオ本人が、目の前で食べている。
 ので、スプーンで掬って食べてみた。
 数十秒間、沈痛な時間が流れた。
「どした? 毒なんか入れてねーぞ」
スプーンを握り締めてきっちり硬直しているヒイロに、内心を察し得ないデュオが気さくに声をかける。
 それでも、やっぱりしばらく沈黙が続いた。
「…………れた」
腫れでつぶれた喉から出るかすれ声は、いつもの数倍以上低かった。余談だが、こういう声をなぜか格好いいと思い込んでしまう、奇特な人も世の中にはいる。
「……は?」
どうやらヒイロが怒っているらしいことに、デュオはようやく気が付いた。食事の手を休めて、自分とヒイロとの間に何か差異があっただろうかと見比べる。
「何を入れたかと聞いている……」
「え、中身? コンソメと卵だろ、それから……」
そこから先は適当に冷蔵庫にあったものをブチ込んだだけだから、正確なところは覚えていない。普通のチーズを探していたらクリームチーズがタッパーに入っていたのでそれを入れたのだが、他はデュオの知らない食材ばかりだったのだ。
 ので、筆者が代わりに解説しておくと、残りはネギともらい物の明太子である。それくらいはいくら味覚が麻痺しているとはいえ、ヒイロも気づける範疇だ。
「お前な……」
ヒイロの説教モードが始まりそうな予感をひしひしと感じて、デュオは何とか話題を逸らそうと必死で考えて、その挙げ句に、
「ああ、まだ向こうにお代わり残ってるからさー、腹減ってるんなら食ってくれよな」
却ってうっかり口を滑らせてしまった。
「お代わり……?」
「え? いやー、ほらさ、米って炊いたらあんなに増えるなんて、オレ知らなかったなあはははははは」
「…………」
もはや、返す言葉も見つからない。ヒイロはがっくりと頭を垂れて、「解熱剤、持ってきてくれ」とだけ小声で言った。
 

「……大体のところは判った」
夕方には、ヒイロは台所に立っていた。解熱剤で熱が下がったとは言え、病気が治ったわけではない。
「お前が作れるのは、洋食だけだということだ。一瞬でも期待した俺が馬鹿だった」
「……何もそこまで言わなくたっていいだろ……」
あまりといえばあまりな言われように、デュオは憮然としてヒイロのやつれた顔を睨みすえる。折角好意でしてやったことなのに、何で怒られなければならないのか。と言い返してやりたかったが、自分の方が立場が弱いことを雰囲気で察して、やめにした。病人につっかかることの後ろめたさもある。フェアじゃない。
「んで、何か作んの?」
「雑炊」
小振りの鍋を棚から出して、適当に水を入れる。
「ぞーすい……お粥とはどー違うんだ?」
「……味がついて、色々入る」
どうやら、粥と雑炊の違いについての正確な定義はヒイロも知らないらしい。ちなみに私も知らないので、広辞苑(今時古い第三版)を引いてみよう。それによると粥とは「水を多くして米を柔らかに炊いたもの」であり、雑炊は「大根、ねぎなどを刻みこんで炊いた粥」だそうだ。なんだ結局粥なのか。
 蛇足になるがこの広辞苑、大震災の時には私の頭の横に落ちてきて、もう少しで私の頭は浄瑠璃のなし割れよろしく砕けるところであった。もっと精進せよということか、広辞苑よ。
 話を戻す。
「こんなモンで味つくのか? なあヒイロ」
滅多に使わない乾燥昆布を電灯にかざし、デュオはしげしげと不思議そうに黒くて堅い板を眺め回した。
「生臭えよ、これ」
「アングロサクソンに出汁の味は理解できん」
人が強気に出られないのを知ってか知らずか、言いたいことを言ってくれるヒイロである。何か言い返してやりたいが、反論材料も見つからないのでデュオはぐっとこらえた。今日くらいはお人好しに徹してやろう、と自分に言い聞かせて。大体デュオが北欧系の大柄なアングロサクソンの血を引いているという証拠はどこにもないのだ。
「日本食って体にいいって言うじゃん。別に嫌いだなんてオレ言ってないぞ」
もうひとつ鍋を出してきて、そちらにも水を入れる。これは卵酒を作るためだ。未成年に日本酒は買えないのだが、酒粕で代用できる。筆者の家ではいつも酒粕で作るのだが、その方が素朴な味わいがあって、しかも子供でもたくさんいただける。かなりお薦めだ。
「うどんに焼き鳥を乗せて喰う奴にだけは、言われたくないものだ」
なぜか分からないが、デュオはうどんを食べるときに焼き鳥だの卵焼きだのを乗せて食べる癖があった。
「何で? 結構気に入ってるのに」
「日本食のイメージが崩れる」
そう言いながら、ヒイロは徐々にデュオに任せた料理上の失敗を思い出しかけてきた。一年も暮らしていればいろいろと事件は起こる。デュオは仕事上のパートナーとしては最高だったが、ことプライベートな事項になると、まるで音痴ぶりを発揮してくれるのである。ヒイロが夕方帰れないとき、たまに晩の支度を前もって準備して行くことがあるのだが、手順をメモに残しておくにも関わらず、なぜか失敗しているのだ。
 味付け済みのすまし汁に、さらに味噌を入れて飲めなくしてしまった。
 缶詰でカニ玉を作らせたら、別に準備していたあんかけ用のあんも一緒に入れてしまった。ちなみに、彼は「どうせ後でかけるんだから、一緒に混ぜても構わないだろう」と思ったらしい。
 五飛の手伝いで炊き込み飯に味を付けるように頼んだら、小さじ三杯の薄口醤油を間違えて、大さじ三杯の濃口醤油を入れて真っ黒にしてしまった。
 ハンバーグにパンや卵といったつなぎを入れ忘れて、ただのそぼろにしてしまった。
 てんぷら粉と唐揚げ粉を間違えて、エビの唐揚げを作ってしまったこともある。
 思い出すうちに、ヒイロはだんだん腹が立ってきた。どうしてこう、こいつは自分に気苦労ばかりをかけさせてくれるのだろう。そう思うと、下げたはずの熱がまた上昇しそうだった。
「なあなあ、雑炊って、米のほかに昆布しか入れないのか?」
彼の胸中など、微塵も察していないデュオが無邪気に訊ねる。
「……いいから、黙って俺の言うとおりにしろ」
ヒイロとて、そんなに料理が得意というわけでもないのだ。ただ、ランナーとしての体力を維持するためには、外食ばかりに頼っていられないというのが実状であって、別に主婦役を買って出ているのでもない。
 鍋の水に浸した酒粕をほぐしつつ、溶いた卵を流し入れる。しばらくすると、両方の鍋から、湯気とともに湯の沸く音が立ってきた。こうなれば、出汁をとっている鍋には残った冷飯と刻んだ野菜や薬味を、卵酒の方には砂糖を入れればいいだけだ。
 と一安心したのがいけなかったらしい。棚から食器を出して、トレイに並べて台所に戻ってくると、デュオが砂糖のビンを抱えて雑炊の鍋の前にいた。
「デュオ、俺のいない間に触るなと……」
ヒイロが呆れるより早く、デュオが嬉しそうにビンを抱えたまま振り返る。ヒイロから見てデュオの陰の死角にあったまな板の上には、刻んでおいたはずの野菜の山がない。では、奇妙に盛り上がっているあの、卵酒の鍋の中身はなんだろう?
「雑炊って、どれぐらい砂糖入れたら美味いんだろ? なあヒイロ」
 ごん。
 物も言わずにヒイロがデュオの頭をぶん殴った。
 なかなかいい音がした。が、直後に拳を握り締めたままで、ヒイロはデュオに向かって昏倒した。
「ヒイロっ! なんだよ、いきなり殴んなくたっていいじゃねぇか、起きろよ重たいだろーがっ!」
そんなデュオの怒号も、すでにヒイロは聞いていなかった。
 晩、彼は再び四十一度の熱を再発して、意識不明に陥った。その原因がデュオにあることは、二人以外の誰も、ついに知るところとなることはなかった。
 

 数日後。
 ヒイロはあの日暴れたのが悪かったのだろう、風邪をこじらせて悪化させてしまい、今だにベッドの周囲で生活している。本人は身体が鈍るのを嫌がるが、熱も咳も引かないのだから仕方がない。ベッドの傍らで銃の手入れをしたり、雑誌を読んだりして退屈をしのいでいる。デュオはそんなヒイロを「ご隠居」呼ばわりしてからかっては、物を投げられてばかりいた。
 食事は、夕食だけは五飛が作りに来てくれている。トロワは、いつものように毎日連絡を入れるついでに、ヒイロの容体を気遣っている。さっきの電話で、「今の仕事が一段落ついたら、見舞いに行かせてもらう」と言っていた。相変わらず、外見に似合わず気遣いの細かい奴だ。
「……はい。もしもし?」
『ああ僕だよ、デュオ』
しょっちゅう何かと用事を作ってはやって来る隣のおばさんを追い払い、本日二度目の電話をとると、その向こうの相手はカトルだった。どうやらトロワか五飛からヒイロのことを聞いて、様子見にかけてきたらしい。自慢ではないが、デュオはカトルの相手をするのが一番の不得手だった。
 隠語を駆使して仕事の話をし、ひとしきり内実のない世間話をしたあと、五飛から聞いたのだろうが、例の粥もどき事件の話になった。
「そりゃもう、怒られたの何のって、仕事で失敗したときより、よっぽど恐かったんだぜ」
 その時にカトルはふと言ったのだ。
『でもデュオ、五飛が言ってたよ。ヒイロ、喜んでたってね』
思いがけない言葉に、デュオはわが耳を疑った。いつも自分の前では怒っているようにしか見えないヒイロが、喜ぶなんてそんなことあるものか。
「嘘」
『本当だよ?』
言ってカトルは、優雅に笑ってみせる。そんな時デュオは、自分とこの御曹司の落差を思って、惨めな気持ちになる。身分や境遇を比べて、自分の人生を量るような趣味はないけれど。
『彼はね、六つくらいまでお母さんがいたんだって。例の「激怒の夜」で亡くなったらしいけど……』
その話は初耳だった。ヒイロの過去に興味がなかったわけではない。が、ヒイロの方でもその手の話題は能動的にさけている節があった。今にして思えば、それは過去の記憶を持たないデュオが引け目を感じないようにという、ヒイロなりの心遣いだったのかもしれない。
 電話の前で棒立ちのデュオを気に掛けるふうでもなく、カトルはさらに続けた。
『久しぶりに母親のことを思い出した、って言ってたって五飛がね。ヒイロは照れ屋さんだから、本人の前じゃ滅多に褒め言葉なんか口にしないだろ?』
「…………」
 

 受話器を置いたあとも、その場につっ立ってデュオはしばらく考え込んでいた。それから、意を決したように寝室のドアノブに手をかける。
 そっとドアを押し開けると、薄闇に包まれた部屋の中に小さな寝息が聞こえてきた。薬が効いて、よく眠っているらしい。眠らせておかないと、すぐに起きだしてきて何か仕事を始めようとしてしまうのだ。
 窓際の自分のベッドに腰を下ろし、頬杖をついてしげしげと相棒の顔を眺めやる。
「畜生、何が母親みたいだ、だよ……」
ボサボサの髪や、鍛え上げられた体格とはまるで似合わない、無邪気な顔でヒイロは眠りの中にいた。わずかに頬を紅潮させて、それこそ母親の腕に抱かれた子供のような表情を浮かべ、すやすやと規則正しい寝息を立てて。
 デュオには、母親の記憶はない。
 だから、今まさに母親の胸の中にいるように、かすかに微笑さえ浮かべて眠ることができるヒイロが疎ましい。嫉妬さえも感じる。
 自分よりも優れたものを持っている者への、羨望。デュオは、何も持っていないのだ。持たざる者の持てる者への羨みを、持てる者は知り得るだろうか。
「だから、オレはお前には勝てないんだよ……」
静かに立ち上がり、デュオはヒイロの前に屈み込む。それから寝室から出るべく、足音を忍ばせて光の洩れる半開きのままのドアのところへ行き――――最後に、ふとヒイロを振り返った。
「ま、今回だけは……貸しにしといてやるか」
わずかに軋みを立てて、ドアが閉ざされる。
 改めて胸元まで掛け直された毛布の中で、ヒイロが夢うつつのままに寝返りを打った。


>>>>>[ギャグ。ふふふ。うちの妹のお気に入りらしいですよ……ヒイロの苦労がよくわかるってさ! それはね私がまじに料理音痴だからです。今日だってね……いやいやいや、やめとこう。]<<<<<
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