Seattle A.D.2058

シリーズのごくごく簡単な設定。本当に『シャドウラン』が好きな人が読んだ場合の、その人の健康は保証できません。

バカで粗暴で自信過剰で無口ときたもんだ
おまけに強情でこうと決めたら梃子でも銃でも動きゃしない
俺はそいつにさんざん騙されたし利用されたし
命まで落としかけたことも一度や二度じゃない
そんなだからあんたは信じないかもしれないが
それでも俺はそいつのこと嫌いじゃなかった
ストリートの掟にかけて嘘じゃない 本当だ

Shadowrun [Seattle A.D.2058]について

『Shadowrun [Seattle A.D.2058]』とは、かつてFASA社から発売されていたサイバーパンクTRPG『SHADOWRUN The 3rd Edition』を下敷きにしたパラレル小説です。)Old Versionが陳腐化したのであたらしく設定から作り直しました。

というわけで、前の続きだと思って読まれると、少々哀しい思いをなされる可能性があります。

  • 舞台を2050年東京から2058年シアトルに変えました
  • 第3版入手したのはいいんですが英語が苦手なので、設定を想像で補っている部分が多々あります
  • 再び本人たちからして謎ばかりです。前回のネタは使いません
  • 某三つ編み君の一人称で書いていますが、すでに神経が焼き切れそうです

「ところでサイバーパンクって何?」と思った方へ。泥臭く混沌とした近未来世界で、飾り立てた小道具でわりとしょうもない犯罪行為をはたらく連中の話だと思っていただければ、だいたいそれであってます(ひどい表現でごめんなさい。たぶん愛ゆえです)犯罪者という意味では、テロリストやってる本編とあまり変わらないような気もしますが。

……それでは、パラレル世界に生きるヒイロたちのお仕事ぶりを楽しんでいただければさいわいです。

背景世界

世界は変化した。『覚醒』したという者もいる。

眠れる神秘のエネルギーが流れを取り戻し、世界に魔法が甦った。かりそめの人間の姿を投げ捨て、エルフやドワーフ、オークやトロールが真の姿をあらわす。野生の動物たちも、神話や伝説の生き物へと姿を変えた。現代社会は、懸命に力をふりしぼった。さまざまな困難を乗り越え、テクノロジーに満ちた世界に魔法を取りこもうと。

また、テクノロジーも人々を変えた。肉体だけでなく、サイバーウェアという人工的な能力の拡張に頼ることで、多くの人々が『人間』を越えた。より強く、より洗練され、より俊敏に。それが現代を生きる人間なのだ。

2050年の世界では、大都市『メガプレックス』は長い影を落とすモンスターである。そして、都市を形成する巨大企業の狭間に『シャドウランナー』たちは生きる。巨大企業から依頼される影の仕事、それが『シャドウラン』だ。企業は、みずからの手を汚したくなければ、それをこなせる唯一の存在、シャドウランナーたちを頼る。シャドウランナーの存在は政府や企業のデータベースには載せられていないが、仕事の依頼主には事欠かない。彼らは、視覚化された巨大企業のデータベースをささやくようにすり抜け、ただ一つ本当に価値のあるもの―――情報―――を奪い去る『デッカー』かもしれず、また高度な戦闘技術と研ぎ澄まされた反射神経によって都市の猛獣と化す強化戦士、『ストリート・サムライ』かもしれず、あるいは太古から受け継がれた資質―――地球を取り巻く魔法のエネルギーをふるう能力―――を持つ魔法使いかもしれない。

そして、あなたがシャドウランをこなすために雇われたときは、何よりも銃の力が必要になるだろう。

【富士見書房】 シャドウラン[ルールブック]裏表紙より : 超意訳は神秦による

そして舞台は2058年。混沌の数十年に続く十年もまた、激動の時代であった。シカゴは昆虫精霊に侵され廃墟と化した。グレートドラゴン『デュンケルザーン』は大統領選挙に勝利し、UCASの最高権力を手にしながら暗殺された。渕電子工業は企業間の熾烈な闘争の果てに消滅。サイバーデッキなしにマトリックスを駆ける少年少女たち『オタク』の出現、人工知性の完成、サイバー化を越える能力拡張技術『バイオウェア』の普及―――歴史の大きなうねりも、その中で明滅する小さな現象も、人々の気づかぬままに、確実に世界を表と裏の両方から塗り替えていく。

世界はより多様化し、その裏側を駆け抜けるシャドウランナーたちの力が、これまで以上に必要とされるようになってきている。魔法と高度なテクノロジーの世界を、危険と神秘の舞台を、気高さと裏切りの迷路を、冒険の影の中を、今こそ鮮やかに駆け抜けよう。

ようこそ、シャドウランへ。

ランナーズ・ファイル

ヒイロ・ユイ : 人間 / Covert Ops Specialist
潜入工作のスペシャリスト。他にも格闘戦、機能特化した小型ドローンを用いた情報収集(ゆえに『虫使い』とも呼ばれる)、爆破工作等を得意とする。どのチームにも属さずフリーで活動しているが、何がしかの組織とかかわりがあるという噂もある。
デュオ・マックスウェル : 人間 / Combat Decker
脳に直結したサイバーデッキを操り電脳世界での活動を得意とするデッカー。物質世界での戦闘能力も銃撃戦を中心にそこそこ高いものを持っている。かつて『掃除屋』というストリートチルドレンあがりのチームに半年ほど属していたが、現在はフリーである。シアトルのダウンタウンに複数の根城を持っているらしい。