ザ・インタビューズ再録 僕のサンドロックは電気羊の夢を見るか

以下は以前「ザ・インタビューズ」というサービスにて受けたご質問への回答です。日付は2011年9月19日です。2013年6月現在のFrozen Teardrop連載内容に(自分の中では)問題意識が直結しており、興味深いので再録いたしました。


自爆という自己犠牲的愛に特化したGチームの皆さんとその愛機と共に戦うことによって、機械でありながらもサンドロックには愛という感情が芽生えたと言えるのでしょうか?

人工知能がブレイクスルーを起こして人工知性に進化するとか、愛を知らないはずの者が愛そのものを体現する行動を取り、その挙句に……とか、その手の定番ネタが大好物の私としましては、その解釈大好きです! すてきですね。

しかし、TVシリーズ〜EWを鑑みるに、「機械自身は人界の機微を解しない※」というのが送り手側の一貫した態度だったように思いますので、もし機械がそう感じ、そう振舞うように見えたとしたら、それはすなわちH教授の愛情であり、救済の体現であったと解釈して良いのではないでしょうか。

自爆スイッチを押したということは、力を持つ者の覚悟として命を投げ出したということであり、それだけの覚悟を持ったカトルの命を(逆説的ではありますが)簡単に失わせてはならないというのが、オペレーション・メテオ実行にあたってのH教授の心情だったと理解しております。
地球降下直前に「僕にはよくわかりません」と述べていたカトルは、この瞬間はまさに追い詰められていたその時でしたから、サンドロックのふるまいがH教授の真意だと気づく余裕はなかったのではないでしょうか。

※ただし、機械というインタフェースを利用して、人間が愛/平和/希望を見つけ出す、という描写はあります。ゼロシステム、エピオンシステム関連など。


さて、最近連載されているFrozen Teardropですが、こちらでは作中25年、現実時間で15年の時間が進んでいるだけに、
「機械自身が自我を持ち、感情を持ち、愛や平和を理解して実践することは可能か?」
あるいは、
「機械によって争いなく平和を実現することは、可能かつ正しいことか?」
という、一歩進んだテーマを扱おうと試みているように思います。

サムウェアからピースクラフト姉妹への愛情が本物の猫と同じそれであるのか、
それともただの模倣に過ぎないのか、
ならばガンダムやゼロシステムは同じく「感情」を持っているのか、
もしそうだとすれば、機械が支配を生み出すP.P.P.とどのような対立概念に持っていくのか、
(AIサムを作ったのと、P4を作ったのが同一人物だというのは、割と重要なヒントでは)

大変興味深いところですので、是非完結まで見守っていきたいと思います。

ご質問とずれまくったところに着地したような気がしますが、回答になっておりますでしょうか……?

(初出 : ザ・インタビューズ